SPCCIエンジンが高いからとか、燃費差が少ないとか、、、。
そんなお話で終わらせるのは、、、。
かつて、マツダはハイパワーオンパレードな1990年代に、静かにミラーサイクルエンジンを世界初で登場させた。
それを実現できたデバイスは可変バルタイ機構と高精度エンジン制御技術があったからだ。
ちょうど5年は、先取りだったGDI。
つまり、GDIもガソリンエンジンでより熱効率を上げる為に直噴ガソリン化を行った。
キーとなるのは高圧縮比と高圧インジェクションだ。
そこで欲張ったGDI技術者は、超リーンバーンをやってしまった。これが技術力今一歩なT社は14.7:1を貫きそれほどの高圧ではないインジェクションで乗り切った。それでも経年劣化?でEGRの関係からも煤が溜まりやすいエンジン、、、。
マツダのミラーサイクルは直噴ガソリンではない状態で誕生させたが、その後直噴ガソリン化でスカイGエンジンが誕生。危険領域とも言える高圧縮比を限界まで追求し14:1と世界トップレベルな圧縮比で熱効率をガツンと上げ、それまでのマツダイメージを払拭させた。それはミラーサイクルプラス、直噴ガソリンが成しえた効果だった。
つまり、第一世代のSPCCIエンジンの限界はある。
しかし、その誰もが破れなかった壁を見事に乗り越えたのだ。
後はそれの充実だ。問題は超リーンバーンをどう実現するのか?
そこで排気量増とすることが解決策である。
排気量つまり14.7対1での混合比ではなくその2倍、もしくは3倍に空気を必要とする。
その空気をどう入れるのか?が、超リーバーンの課題。
SPCCI第一世代が、燃費とパワーの両立で、今一つとなった理由もそこだ。
直列6気筒エンジンの大排気量化を生かし、省燃費化とパワーの両立がより鮮明になるんじゃないだろうか?
超リーンバーンに挑んだGDIでもその状態は時速40km/h〜60km/h時にしか排気量足りないことから出来なかった。
EGR量と新鮮な吸気量のバランス、NOx発生を抑える燃焼温度と実有効圧縮比の安定的な維持、、
まぁ大変な制御を強いられる。
先人者の努力で次の世代で花咲く、、。やるかやらないか?それはやったからこそ、その次が見える。
現状の製品にいちゃもん付けるのは簡単だ。
GT−Rのエンジン開発費ともし同じなら、このSPCCIエンジンはマツダのみならず、世界のエンジン開発者に希望を与え次の世代へと繋がる技術だ。
日本メーカーが市販したと言う意義は非常に大きい。
まさに財産である。
今後、この超リーンバーン燃焼技術はSPCCIのみならず様々なエンジンにフィードバック可能である。一つの壁を乗り越えた偉業なのだ。
売れているとか売れてないの尺度だけで語りたがるライター。
どーもすでにそんな時代ではない。
製品として世に出せたかどうか?そこが価値あるのだ。
客寄せパンダ?が暴走車なのか?誰もが理想を知っていても具現化出来ない技術を市販した。
それが売れなかろうがそのメーカーの技術力を示したのだ。
ハイパワーで暴走するだけのメーカ技術は1990年代ですでに終焉したのだ。