ホンダの選択だったF1参戦。
一方のトヨタはすでにWECでハイブリッドレーシングユニットを相当な完成度で構築している。
ドライバーに感電?などと言うザマはない。
どちらもレーシングフィールドでの開発はいずれ市販車にもなんらかフィードバックされることはあろうだろう。
しかし、反面あくまでもレース用と量産品との差も大きい。
ただトヨタ&デンソーの戦うフィールドの方が耐久性と言う面で実用度は高く、市販車で安全かつ長期間利用では実践に近い。順番としては、レースフィールドで開発鍛え抜き、そして市販車に反映なら納得できるが、市販車先行販売後F1レースで優勝?じゃ何だか反映されたとは思いにくい。
その点、トヨタはレース参戦とその結果も先行しており、いずれ近いうちに市販型LF−LCが登場するだろうが、当然その完成度や信頼性は高いと言える。
特に近年、内燃機と言えども制御技術が重要で、どんなにエンジンが良かろうが、それを制御する回路やプログラムがダメなら成立しない。
トヨタはグループ企業として世界トップクラスのデンソーがあり、研究所で自動車以外の様々な分野の開発能力がろうが、机上と実戦では違う。さらには、デンソーのように、トヨタ車以外のメーカーにも供給していると言う実戦と経験量が比べ物にならないほど高い。
昔のホンダは町工場から発展し、あの本田総一郎氏も現場へ出向き、激を飛ばし、組織的にも横一線な中小企業風土の中で、革新的な開発や製造を行っていたはずだ。
そこがちょうど分岐点となる1980年代ですっかり世界企業と言う大企業に成長した大企業病に陥った感がある。車体設計出身者である伊東社長が先日のNHK特番で「エンジンのホンダ」的な表現であったが全く説得力がない。特にハイブリッドでは電気関連技術の塊。元沖電気系技術者が在籍していると言っても提供している部品量はデンソーに到底叶わないのだ。
スポーツカー系ハイブリッドはいきなりNSXではなく、ターボ化したシビックRよりもハイブリッドでRとした物から積み上げて、行く方がホンダらしいように思える。
90年代に登場したNSXはまさに、デルソルなど、原点から積み上げた中で出て来た車両だと思う。
VTECを生かした高回転型エンジンもシビックベースのインテグラから登場し、アコードなどにも展開、その最高峰と言えるNSXにと繋げていくのが本筋だろう。
トヨタは、究極のエコカーとしてプリウスを開発し、セダンでもスポーツカーでもなく、ただただ純粋に全域で燃費向上を狙った故、現行の形状となり、熟成=完成となった次にスポーツが可能なTHS−Rを開発と順を追って進めている。製品の信頼性=信じる者=儲かるに繋がる順を追って積み上げて来ている。
焦らず盤石な積み上げかたを進めるから現在のトヨタが存在している。
奇策では偶然はあっても必然はない。じっくり積み上げて初めてなし得ると思うのだが、、、。