ちょうどアクセラユーザーとなって1カ月。
ユーザーだから見える小規模改良点。
すでにマイナーチェンジを実施しているのであるが、恐らく次期モデルも現状の大幅改良の方向だと思われる。
購入したい!と思うだけの魅力あるデザイン、そしてスペック的に十分すぎる装備内容だ。
ただ、細かな点で完璧じゃない。
試乗した際にも気になった点。
やはり、静かで乗り心地がいい分、そこの最終的な煮詰めが足りない。
マツダのスカイアクティブが目指す方向が、まさに日本国内レベルからの脱却だとするならば基本設計や計画=企画としては十分クリアしているのであるが、さらに要求したくなる。
まぁそれがプレミアムクラスなのだろうが、、、。
日本国内向け価格として十分すぎるほど低価格であるのだ。それはレクサスと比較して遥かに安い。
ライバルが欧州プレミアムブランドやレクサス400万越えクラスと比較した場合、確実に勝負できる出来だ。
ただ、おそらくマツダ社内、それと販社とのギャップなのであろうが、クオリティーに対して価格がつり合っていない。日本ユーザーから考えるとそれは非常にありがたい事なのだが、、、。
その為なのか?どこか手抜きな点がユーザーとなって気が付く。
ディーゼルエンジン搭載前提でエンジン音を見事に十分抑えながらも、固い系なタイヤのノイズが必要以上に室内へ浸透してくる。中古と言うこともあり、タイヤは静粛性重視を新規に選択しているのだが、抑え切れていない。そして、柔らかめな静粛性タイヤにした場合、それが仇となり、コーナー時のシャープさが損なわれる。
そして、十分な強度や剛性感あるボディーなのだが、残念な事に骨は固いが板が薄い?(すべてではないが)その為なのか?太鼓のような現象=抑えきれないある周波数の微振動がある。
他の場所があまりにもしっかりできている故のネガが出ていると感じる。
ドアの閉まり方も締まった場合の静粛性も十分にハイクオリティーだ。だからこそ、目立ってしまう。
さらに、車内のアクセサリーで、サングラスホルダーの容量が不適切だ。
デザイン系サングラスが入りきらない。普通のメガネがギリギリだ。まぁこれはマツダ車に限ったことではないのだが、実用性に欠ける。ドリンクフォルダー系も同様で、意外と使いづらい。細かい点で改良するべき部分だ。アイドリングストップはすばらしいのであるが、夜間のヘッドライトのコントロール連動とはなっていない。
確かに、ON/OFF連動となると球切れ=寿命短命が気になるのだが、ならば完全に切らずとも暗くする等新たな方法を考えるべきだ。切り詰めた燃費を考えるならば、停止時のヘッドライトも省電化する必要がある。
そして、平均時速20km/h以下が連続する場合、思っている以上に燃費が悪化する。
特に都内の夏場は最悪な渋滞が多く、返ってこの場では、エアコンのからみからアイドリングストップさせる方が燃費悪化に繋がっているのでは?と思う。
平均時速が80km/h以上出せるような郊外路では、驚くほど燃費がいい事から渋滞路でSPCCIが大幅に改良されれば、中途半端なハイブリッドカーよりも優れている内燃機モデルとなる。
それにしても、エンジンとトランスミッションとの兼ね合いが素晴らしい。
6ATが様々な状況下でコントロールされており、自分で任意の操作を必要とする場面がほとんどない。
一応ハンドルにパドルがあるのだが、使う場面が全くない。
あるとするならば、かなり強引に走らせようとする場面=サーキット風走行でしか必要としない。
初代アクセラをレンタカーで借り走らせた時には、ボディーもシャシーもサスペンションも十分にも関わらず、エンジンだけが全く残念な出来だった。ノイジーで回す気も起らないし、パンチも気持ち良さもない。
その点、このエンジンは、見事に気持ちいい。アクセルの付きも良く回しても素直にフラットなトルク。
エンジンもまだまだ余裕あるとそのキャパも余力を感じる。水温も安定しており、サスと同様に剛性を感じる。
衝突防止等の安全装置に関しては、これだけ運動性能がいい車両には、ハッキリ言って見合わない。
邪魔をする。必要以上に介入される。人間が感知しコントロールしている場合にも自動介入する点が気に食わない。ビビりな下手くそ運転時とそうではなく、IDM等で4点以上のドライバーでは介入するレベルを変えるべきだ。予防とするなら注意を促すだけでもいい。気が付かない場合と無能な場合と分けるべきだ。
特に、ブレーキ制御に関して、素なセッティングは見事なスムーズだ。しかし、時速100km/h前後でのブレーキ容量から来るフィーリングは、ボディーが軽いはずにも関わらず今一つ十分とは言い難い。
連続するコーナーや下り坂などで、容量に不安を感じる場面がある。
ここは、価格との兼ね合いがあるのだろう。しかし、さすがに欧州車と比較し確実に貧弱=日本車を脱していない。重量配分もフロントヘビーが故、昔乗っていた三菱GTOツインターボの雰囲気が旋回時のアンダー風もブレーキ時のフィーリングも何故か?似ている。さらにGTOなどでは標準のブレーキが容量不足ですぐに悲鳴を上げる。まさにその感じに似ている。
ローター径を上げキャリパーを2ランク上にすればかなり良くなるのだろうが、それは価格に直結しそうだ。
制御が先に行っても、そもそもの機械の能力を上回る制御は出来ない。
ターボ等過給機でパワーアップをする必要もないほど気持ちいい車両なのだ。
それが不安=安全制御では、完全に払しょくできない。不安とは、「回し過ぎると壊れる?」や「ブレーキあと一回でペーパーロックする?」とかを感じさせない事の方もある。
新型CX−5は、次世代スカイアクティブをエンジン以外搭載していると予想しているが、どれほど変わった?
少なくともブレーキ系は、そのままのように思える。
見た目だけでもBMW等と同様なビッグサイズローターを入れて欲しいと願う。
最近のブレーキ性能は制御方法や自動化ばかりな話が多いが、本来は、どれだけ踏んでもへこたれないが性能のように思えるのだが、不要で不毛かつ小手先な自動運転やらに進んでいる。
マツダだけは数少ない玄人受けする真面目な技術者集団であると信じ、小手先な制御ではなく自動車の基本性能アップを狙うメーカーであってほしいと願う。
最後に、果敢に挑んだカーコミュニケーションシステム=マツダコネクト。
これは静かに終了するべきシステム。
過去ユーザーにも納得行く?終焉としては、カスタムリナックス上で稼働する車載PCは、まだまだ使えない。
それを標準化しようと努力しているのであるが、、、。それは、EU圏のプログラム開発能力の限界であり日本人的丁寧かつ慎重な開発は出来ないと言うことだ。頻繁にアップデートしても完成と言えるまでにはまだまだ先な話。日本トップレベルな開発技術者が作ったG−BOOKと比べても話にならないレベルだ。
カーナビは個人的にはインクルメントPが作っているサイバーナビを越える物は現在ない。
ひとつの産業であるカーオディオメーカーは過去30年近い歴史があり、それが簡単じゃないと言う証拠を見せつけられた。たとえGOOGLEが何をしようとしても、LINUXじゃまだまだ貧弱なOSでしかなく、完成域に到達したとも思えない。変えようにも変えられないカーナビシステム。この先マツダはどう責任取るつもりなのだろう?
少なくとも趣味趣向の幅広いアクセサリー分野を自動車メーカーがごり押ししない程度で提供して行くしかないのだ。