ご質問
「今の流れは、ハイブリットやEVや燃料電池やら、新しい流れになりつつありますし、税制面でもそういったエコカーは減税の対象車になっていますが、マツダ車はあまり取り入れていないと思います。」
「それはただ単に技術力が無いからなのか、今の時点では、費用対効果が低いからでしょうか?」
まぁどーでしょ?マツダに関しては、ある種の目的を突き進んでいるのだと思います。
国内で、ディーゼルエンジン開発が出来るとすれば、実際限られている。
それは大型トラックを始めとする重工系企業でなければ、継ぎ目なく開発していないからです。
いすゞや三菱重工、日野、日産ディーゼル等ですね。
特に三菱重工は、エンジン利用の分野では恐らく日本一です。
所がいすゞは乗用車事業からの撤退、事実上事業縮小化です。
そこに在籍した多くのエンジン技術者は、各自動車メーカーへ移籍、マツダやホンダなど、それまで乗用車ディーゼルのいすゞからのOEM先へ物ではなく、エンジニアが渡って行ったと言う経緯があります。
私が感じるのは、あくまでも企業ではあるのだけれど、戦時中もそうであったように、国家指導で各メーカーの役割を決めているのだと思います。マツダは、正直電装系開発はお得意とは言い難く、その代わり世界でも難関だったロータリーエンジンの実用化開発と言う内燃機の極限技術を持ったDNAが社風にあり、本来ならば三菱重工辺りが実現しそうな欧州を越える技術を示し、スカイアクティブの目玉である次世代クリーンディーゼルを実現いち早く行っていても不思議ではない。まぁ実際2.2と1.8のクリーンディーゼルは三菱自と重工で開発し、日本以外で大活躍しており、その圧縮比も14.9:1と15:1を割った低圧縮ディーゼルエンジンをしっかり開発出来ています。しかし、三菱自はドイツボッシュ技術を利用した100%純国産ではなく、マツダはデンソーと共同で仕上げ純国産と言える物です。それも国策として新エネルギー開発機構がスポンサーとなり、実用化開発まで、様々な分野の国家協力があったのです。
EVなど、正直言って何の新規技術があるとは思えません。技術力が高い?低いと言えばEV車など白物家電のモーターベースに強力化すりゃ実現出来、実際スバルのハイブリッドも元松下電器モーター子会社工場で製造しています。EV技術は急速充電や高効率化されたIGBT(トランジスタ)の第6世代を使用するモーター駆動制御など、それらの技術ベースは、通勤電車のサブセット的な内容です。
ただ、トヨタが先行し開発したハイブリッドは別です。EVなど大人と子供の差以上に複雑かつ難易度が高い技術を要求します。機械制御の究極と言える物がハイブリッドでしょう。
特に、トヨタのTHSは、遊星ギヤを用いた連続可変ギヤの特性を最大限に生かした動力協調制御を実現しています。特にエネルギー回生に関しても日本が誇るEDLCを使用し出力密度高い充放電を行い、二十万キロ越えすら可能な電池寿命延命制御を行っています。
トヨタ以外の他社モーターを単なるアシスト動力とするハイブリッドシステムとは比べ物にならない完全な動力分担を実現しているのです。
これを得意とするギヤ設計メーカーであるアイシンAWを孫会社としているトヨタ。
まさに世界NO1ですね。
また、マツダ車の税制優遇に関して、確かにクリーンディーゼルとOEMのTHSを搭載したアクセラ程度ではありますが、他社もハイブリッドシステムを磨くよりも、内燃機を磨き上げた方がハイブリッドシステムは確実に性能向上するとわかっているし、実際先日発売されたカムリなども、脅威な熱効率40%と言うハイブリッド用エンジンを搭載しており、実燃費も旧型プリウス並みの燃費らしい。
まさに、大排気量であろうが、内燃機をブラッシュアップ=進化させた方が燃費や走行性能も大幅に向上することを示しています。私の嫌いなノートEパワーなども、いずれ内燃機=エンジンの熱効率を上げない限り、EV制御側でいくらチョロチョロプログラムを書き直しても性能は良くならない。それでも誤魔化すのならば電池容量を増やせばカタログ上の燃費改善だけは出来るでしょう。
そのように、ハイブリッドである限り、内燃機の改良改善が一番重要であり、基幹産業が自動車と選択してしまっている日本では、マツダ技術が他社へ派生し、国として全体の底上げとなるような政策を考えているのでしょう。
長くなりましたが、マツダが目指し、国家が奨励している技術開発を必要以上に行っているだけの高い技術力がありますので、マツダが技術力がない?だからEVも燃料電池も製品化しない?と言うことは全くありません!それよりも、日本の経済産業省が推奨する水素社会を実現する際、燃料電池以外で内燃機で直接水素を燃焼可能な技術を持っているのもマツダ・ロータリーエンジンとBMWのレシプロエンジンだけです。
燃焼させることで排気ガスの有害ガスやCO2排出を抑える方法として水素利用のエンジンなのです。
燃料電池では、逆電気分解を起こし電気を取り出す。けして効率が良い物ではありません。
しかし、ハイブリッド技術で培った制動時の運動エネルギーを電気エネルギーに変換する技術を利用することで無駄なく地球温暖化を抑制できるので、燃料電池車の意義があり、それらは、トヨタとホンダが完成させています。しかし、その2社も国家指導の元での開発です。
国家側で出来る限り他国に先を越されないように補助金等でばら撒き、普及や実用アッピールをする。
まぁそんな感じでしょうか?