CX−3が登場した時点で、マツダは自社の武器である次世代ディーゼルを全面に強気な戦略とした。
そもそも、マツダはトヨタの2大ブランド戦略である上位レクサスに迫るハイクオリティー戦略を進め、スカイアクティブシリーズは、レクサスが弱いミドルクラスやベーシッククラスを中心に日本車とは思えない作り込みを行っている。デミオなどのドア開閉する際の重厚感は驚くべき出来だ。国産Bセグハッチバック車として、こんな重厚感溢れるドアは存在しない。
そのBセグデミオのライバル範疇の縛りを外し、上位Cセグ的なクオリティーに仕上げたCX−3は結果他社比較+40万強価格が高額イメージとなってしまった。しかもディーゼルに絞り込み、マツダの看板リソースを集中した。
ところが、超高圧ソレノイド式噴射を用い、シングルターボと低圧縮ディーゼルでおそらく世界最小排気量な1500ccディーゼル4気筒は、日本の都市部でくり返されるストップ&GOな渋滞・低速路上で試験では予期しなかった程の不都合が発生。デミオも含めエンジン不調が多発、購入見込みユーザーの後押しが出来ず結果販売不振に至っている。本来、ディーゼルエンジンでは、長距離走行向けな傾向もあり、省排気量なディーゼルエンジンには向かない。果敢に挑んだ1500ccディーゼルの出来はある一定条件下では素晴らしいエンジンであるのだが、トヨタ式ハイブリッドがもっとも得意とする低速、渋滞路では、その高効率な燃焼できる場がない。
ターボ過給とある程度の負荷が掛る場面は郊外や高速道路など時速80km/h以上でなければディーゼルの理想燃焼に至らない。それ以下が連続する場面では、可変バルタイや電子制御による微調整下における不完全燃焼状況に至る。それらが煤を累積し最悪な事態に至る可能性が高い。
これらは、直噴ガソリンエンジンで痛い目にあった三菱GDIに類似しており、エンジン内部の清掃の代わりに不調エンジンは高速道路で内部堆積したカーボンを吹き飛ばす以外ない。
マツダもボッシュディーゼルシステムを打ち負かす大発明を起こしたのだ。
まだまだ改良の余地はあるだろう。それでも都市部の渋滞路だけが道じゃない。
北米であろうロシアの広大な道やEUのワインディングなどでは、日本の技術力を存分に示すことが可能だ。
そこに、Bセグベースな小型SUVにディーゼルと言う組み合わせもチャレンジングな戦略。
しかし、追加された2000cc直噴ガソリンで本来は十分だった。十分すぎるエンジンである。
さらには直噴ガソリン1500cc4気筒でも良いはずだ。
気を焦ったのか?多少の奢りが出たのか?国内中心にバグをすべて吐き出したかったのか?
いずれにしてもCX−3は非常にいい形とサイズなのだがライバル車であるヴェゼルよりも値段が高く、その割にアドバンテージとなるディーゼルが生かせない。
追加された直噴ガソリン2000ccの出来は、欧州BMWのE90時代と比較しても完全に勝っている優秀なエンジンだ。何とレギュラー(RON91)で155馬力・トルク20kgm越えである。6段ATとの組みわせで素晴らしい加速とそこそこの燃費を得れる。もしハイオク仕様=RON95ならば160馬力越えは確実で、燃費を無視すれば170馬力越えすら見える。
フジツボの馬力測定でもカタログ値を越えた出力とトルクが確認されており、他社の表記であれば170馬力と記載しそうな実馬力でもある。エボやインプWSTI以来カタログ馬力と実馬力がほぼ同じと言うエンジンなのだ。その実力から購入後に十分満足できる直噴ガソリンエンジンをもっと前面に出すべきである。
現行の2000ccガソリン4気筒エンジンのスペック比較を作ってみた。
2000cc
それぞれ直噴化や吸排気可変バルタイなど、NAエンジンで出来る事は結構やり尽くしている。
それでも、ハイオク専用エンジンな水平対向4気筒を積むスポーツカー用エンジンから重たい1BOX用エンジンまであるが、CX−3に搭載されているエンジンはNAでありながらかなり低い回転時にトルクを発生させて低速時の扱いやすいエンジン特性としている、形式もアテンザやアクセラ、ロードスターRFに搭載されているエンジンよりも、一世代前の旧型なPE−VPSを採用しピーク馬力よりも3000rpmを切る所の実トルク重視としている点がマツダらしい良心である。スペックではわからないエンジン特性ではあるが、BセグベースSUVとして十分以上の排気量から得られるパワーと燃費、WLTCモード燃費16.0kmも実際のユーザーが出す燃費に限り無く近いと思われる。もうカタログ燃費やカタログ馬力とは言わせない。まさにマツダ良心回路がフル回転な数値なのだと思う。このマツダ技術陣の姿勢が購入ユーザーのマインドをどこまで掴むか?
ローマは一日してならずである。この姿勢を貫く先に購入ユーザーからの信頼がその次のマツダが目指す、プレミアムブランド形成に結び付くと思われる。巨大企業であるトヨタ様のレクサスブランドが一番弱いそのセグメントで苦戦を強いられているマツダCX−3.
確実に世界のプレミアムブランドもBセグクラスを制覇することで企業収益に結びつけようとしているのだ。
メルセデスベンツも改心のAシリーズも大ヒット。Cセグ以下の激戦区で競り勝つに十分すぎる武器をもっと前面に露出するCMを期待したい。ガソリン直噴エンジン最後発メーカーであるマツダ。そのエンジンの完成度の高さの秘密をもっと自信持って出すべきだ。
トグロを巻いたタコ足=エギゾーストマニホールドしかり、直噴ガソリン制御と可変バルタイの制御幅の違い、さらにはエンジンとしてのクランク強度やピストンとシリンダーの摩擦軽減金属加工技術など、、、。
示す技術は泥臭い物をいかに他社とは比べ物にならない先進性か?内燃機でまだまだ出来ることをやり尽くすと宣言したマツダが安易に電動化を出すことなく、現在までの内燃機でどこまで優秀なのか?
是非示して拡販していただきたいと願う。