トヨタが国家総力を挙げ開発したTHSトヨタハイブリッドシステムの基本特許が2012年で切れる。
まさに、完成度が高く、真のハイブリッドであるTHSは、エセハイブリッドを押しのけガソリン車最高の燃費を保持し、ほぼ全車に搭載され、世界NO1トヨタを確立した。
ハイブリッド開発には先行開発および未知の領域に挑むというトヨタらしからぬ判断と投資が行われ見事にその結果を出したシステムだ。
トヨタ式ハイブリッドは以外のアシスト系ハイブリッドとことなり、エンジンとモーターを交互かつ同等に使用するシステム。エンジン出力とモーター出力がほぼ同一である。
そしてエネルギー回生では、専用のモーター(オルタネーター)があり、発電・駆動を分けたシステムだ。
この方式は他のどのメーカーとも異なり、トヨタ唯一の方式である。
他社では、特許で囲まれた正規なハイブリッド方式からのがれるため、三菱、日産と電気自動車を主に開発し、いずれ特許切れ以降からハイブリッドを本格的に進めようと方針を変えた。
また、富士重工は、ハイブリッド、電気自動車(EV)両方で利用されるだろうと思われる電池技術を中心に開発。また、マツダはエンジンをゼロから見つめ直し、高効率なエンジンの探求、そして日の丸純正の夢のディーゼルエンジンを開発した。各社の開発努力の結果ここ10年でカタログ値で15km以上、実燃費でも2倍近くの燃費向上化が果たせた。
来年2013より新型?HVシステムを搭載した車両が各社から発売される。
ホンダもTHSに近づいた、直噴ガソリン+アトキンソンサイクルとエンジンを大幅改良し、出力向上したアコードプラグインハイブリッドを販売する。ついに解禁であるあこがれの2モーター。トヨタ風に表現するとマイルドハイブリッドからストロングハイブリッドと進化した。
ホンダは4WDコンプレックスやらディーゼルコンプレックス、そして2モーターコンプレックスと課題を克服するメーカーだ。
技術的沈黙を続けてきた三菱もPHVプラグインハイブリッドは、欲張りなEV基本駆動からエンジンからの駆動も可能なレンジエクステンダー方式に駆動もモーターとエンジンを介入させる方式。
かなり高度で異色なプラグインハイブリッドだ。
正式な燃費ではないが、公表されている燃費はなんと50kmオーバーだ。
搭載されている電池の航続距離でこの数値になっていると思われるが、従来のHVでは精々4〜50km/hまでのモーター走行に対して三菱はほぼ電気自動車として100km/h超えでもモーター走行が可能。
そして伝家の宝刀である4WDという最大の武器をこのプラグインハイブリッドでも搭載し、他社にない高度な4輪駆動を実現している。まさに売る為の搭載技術と言うよりは、他社へOEMする為の技術見本のような高性能化だ。



スバルやマツダも本家THSの搭載を見越しガソリン直噴エンジンも販売開始し、2〜4年後までには、2モーターストロングハイブリッドを登場させるのだろう。
軽自動車の王国であるスズキは、スイフトにレンジエクステンダー方式のハイブリッドを搭載する予定だ。
これで2013年以降からハイブリッドアドバンテージがあったトヨタは追う立場から追われる立場を経験する。
基本特許切れではあるが、もうすでに量産改良を重ねた熟成された部品から低価格を引き出し、他社に対してコスト競争には負けない。反対にマツダをはじめ各社の基本エンジン性能の差が暴露されるという恐怖もある。
単体エンジンでは、トヨタ他社の性能はハイブリッド無しでも競争で迫られ高度な燃費性能を磨きあげてきた。
トヨタの嫌いなコストアップを強いられる高度な燃費制御などの地味な改良だけで対抗可能なのだろうか?