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スイス・ジュネーブジョーでコンセプトカーオブザイヤー賞を受賞したビジョンクーペ。
あくまでもデザイン・プロトとしてなのだが、まぁ誰が見ても今後のマツダ車のデザイン方向を決めるものだと思っていた。しかし、どのように、マツダ6やマツダ3やマツダ2に反映されるのか?想像も付かなかった。しかし、見事な程にそのデザイン的な特徴を織り込んで纏め上げている。
それにしてもカンファレンス発表の場で前田育男常務の英語はお見事な発音!流暢な英語で説明してた。
ここ10年くらいの自動車は、省燃費化に特化されどちらかと言えば高級車で高額車じゃなければ、デザインは残念なものが多かった。特にこの5年では、各社デザインに力を入れて来ている。
代わり映えしないように見えるBMWなども、モデルチェンジ毎に、らしさと洗練も進化し、ベンツもしかりだ。そこの領域に挑んでいるのだとはっきり判るのが、マツダとレクサスだけのように感じる。
本来ならば、ホンダ高級ブランドアキュラや日産インフィニティー辺りがそこに向っているはずなのだが、どーも私にはそう見えない。アキュラなど申し訳ないが、顔面(フロント)などテクスチャーを3Dに張った?だけにしか思えない。しかも下手すると韓国現代車と見分けが付かない感じだ。アキュラではないが、新型シビックは、もう名前を変えた方が売れそうなほど、全体のフォルムは美しい。しかし、ホンダブランドが高級路線?とチグハグではないだろうか?今後のホンダ車が同様な方向デザインコンセプトでラインナップされるのか?不明であるが、同時期に出てきたCR-Vなど、そのデザイン方向が同一には正直見えない。
同じデザイナーでなくとも、会社としてデザインの根源たるそのメーカーのデザイン哲学?が統一されたものがあれば、マツダのように同一なベクトルで次々車種に反映され、らしさが生み出される。
さらには、製造上の統一性も保たれ、仮にサイズや一部形状が異なったとしても混在車種を1つのラインで製造可能と言う素晴らしい工場の生産効率アップ、稼動率アップと一貫性ある物作りに繋がる。
そして、ユーザーにも反映されるのが、走りの味がデミオ(マツダ2)からCX-5まで(以外試乗してない)は、私個人の感想で、エンジンも馬力も異なるが同様な乗り味や質感がある。つまり、スカイアクティブ後のマツダ車はデザイン方向の統一だけじゃなく、製品そのものの味付けすべてが、スカイアクティブ味なのだ。好み?が分かれるだろうが、少なくともこの味が好きな人は、余程なことがない限り十分満足し、世代でアップデートされた次期モデルにより惹かれると思う。
良く、横置きエンジンなのにボンネットが長い?それは無駄?と言う評論も見るが、それは違うことは明白で、まず見せている手法と、あのトグロ巻くエキゾーストの空間確保であり、デザイナーの自己満足で作ってはいない。どこかの他社と異なりマツダは縦割り官僚社会的とは違うらしい。互いに連携しながら一つの製品となる努力を惜しまない。それで無ければ、コンセプトデザインと市販との差がこんなに無い車両はあり得ない。特にデザインに忠実に製造しようと、その生産技術は素晴らしい。デザインをコンサルから買って、それを生産工場側と協議しながら量産版とする、その思い入れがないと、あのエクリプスクロスのような残念な市販車となる。コンセプトと生産側との溝がありすぎる例だ。他社でも同様な車種がかなり多い。その点レクサスのLCはまさに、コンセプトデザイン通りに出せている。しかし、LC500は1000万円級だ、特殊な素材も含め、出来て当たり前な感じがする。現行アクセラと同様な価格帯とするならば、この新世代マツダ3は、このデザイン再現性の高い状態でこんな価格??と驚きを隠せない。さらにはその燃費や走り、そして味と惚れるのが当たり前じゃないだろうか?
マツダのコンセプトカーが変わり始めたと言う兆候は2010年頃からだと記憶する。
そのコンセプト名があえて漢字を用いるところが、誰を見ているのか?誰にアッピールさせようとしているのかがわかる。もちろん日本人向けじゃない。米国では、チューンドカーなどに、漢字ステッカーなどが張ってある車が多い。そしてデザインの魂を表現する上で漢字文字単語で意味深い表現をすると言う前代未聞な提案だ。そこもデザインとしてのセンスであり説得力を増す。
某雑誌の辛口コメントでは、デザインに走りがついていない?とかあったが、これまでの価格と内容からすると、とんでもない失礼な話と思ってる。
何も絶対馬力や走行速度だけが、走りではなく、初代セルシオのような、味、徹底した静粛性と言う新たな性能やマツダが目指している気持ちいい加速と言う感性的、感覚的をちゃんと設計上数値化しそれを限りあるコスト内でギリギリ目指す。それは素晴らしい事ではないだろうか?
CX-5とマツダ3で半数以上の年間生産台数を稼ぐ。さらにはCX-5もベースはマツダ3だ。
そうなると、マツダ3の設計がすべてのマツダ車へ影響があり、さらには絶対に失敗できない車種。
しかし、そんな追い込まれた状況ではなく、今まさに飛躍している時で、その新しい心臓となるエンジンもこのマツダ3から始まり、この作りなら確実に大ヒット間違いない。